家族葬の流れと一般葬の違いとは?事前に知っておきたい基礎知識

家族葬 蓮(れん)

家族葬の流れと一般葬の違いとは?事前に知っておきたい基礎知識

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近年、家族やごく親しい方のみで執り行う「家族葬」が選ばれるケースが増えています。従来の一般葬と比べて小規模な家族葬は、形式に縛られず、遺族がゆっくりと故人と向き合うことができる点が大きな魅力です。しかし、一般葬に比べて情報が少なく、「どのような流れで進むのか」「準備やマナーは何に気を付けるべきか」など、初めて家族葬を経験する方は不安を感じることも多いでしょう。本記事では、実際の家族葬の流れを具体的に解説し、事前に知っておきたい準備や注意点、ご遺族が担う役割、マナーについても詳しくご案内します。葬儀の形式を選ぶ際の参考にしたい方、ご家族にもしものことがあった場合に慌てたくない方にとって、この記事が安心できる葬儀のヒントとなるよう、現場の声も交えて徹底的にまとめています。

家族葬とは何か

家族葬の定義と特徴

家族葬は、家族や親族、親しい友人など、ごく限られた人々のみで行う小規模な葬儀です。一般葬と違い、会社関係者やご近所など広い範囲の参列者を招かず、親しい人たちだけで故人を見送ることを目的としています。アットホームな雰囲気の中、ゆっくりとお別れの時間を持てることや、準備や運営の負担が少ない点が評価され、ここ十数年で急速に広まりました。宗教形式は問わず、式次第や進行もご家族の意向を重視して自由に決められることが多いです。

家族葬と一般葬の違い

家族葬と一般葬の主な違いは、葬儀の規模と参列者の範囲です。一般葬では仕事関係や近所の方なども参列し、人数も多くなるため、準備や対応、返礼品の手配などご遺族の負担が大きくなります。一方、家族葬では人数が10~20名程度に絞られ、準備や進行も比較的シンプルです。香典や供花の対応、弔電や弔辞を受け付けるかどうかも、ご遺族の判断で決められる点が特徴です。葬儀費用の抑制や、ご家族の希望に沿ったお別れができることから、多くの方に支持されています。

  • ・参列者の人数が少なく、親族や親しい友人のみになる
  • ・会社関係者や近隣への案内は省略するケースが多い
  • ・式の内容や進行を柔軟に決められる

家族葬の流れと準備

家族葬の大まかな流れ

家族葬の流れは、一般的な葬儀とほぼ同様ですが、参列者や準備の内容がシンプルになっています。実際の流れは次の通りです。ご逝去から火葬、法要、精進落としまで、葬儀社が細かくサポートしてくれるため、ご遺族は安心して葬儀を進めることができます。

  • ・ご逝去(死亡確認・死亡診断書の発行)
  • ・葬儀社への連絡と搬送・安置
  • ・喪主の決定と関係者への連絡
  • ・葬儀内容・日程・場所の打ち合わせ
  • ・納棺・通夜・葬儀告別式・火葬・法要・精進落とし

ご逝去から安置までの対応

家族が亡くなった場合、まず医師により死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。病院で亡くなった場合はエンゼルケア(ご遺体の清拭や着替え)が済んだ後、葬儀社に連絡し、ご遺体の搬送と安置を依頼します。安置場所は自宅や安置施設が選ばれることが多く、安置後は枕飾りやドライアイスの手配も葬儀社が行います。この段階で、親族や近しい友人へ訃報の連絡を速やかに行うことが大切です。家族葬の場合は「家族葬で行う」「他の方には知らせないでほしい」と一言添えて伝えると、無用なトラブルを避けやすくなります。

葬儀社との打ち合わせ

ご遺体が安置された後、葬儀社と詳細な打ち合わせを行います。打ち合わせ内容には、葬儀を行う日時・場所、葬儀のプランや式次第、費用や参列者の範囲、香典や供花の受け取り可否などが含まれます。菩提寺がある場合は僧侶の日程も調整し、必要に応じて遺影の写真選びや、死亡届の提出・火葬許可証の取得など行政手続きも進めます。最近は見積もりを1円単位で提示する葬儀社も多いので、不明点は必ず確認しましょう。

家族葬の通夜・葬儀・火葬の流れ

通夜の流れとポイント

家族葬でも、通夜を行うことが多いです。通夜は一般的に夕方から2~3時間ほどで進行し、参列者受付や僧侶による読経、焼香、喪主挨拶などが行われます。受付や香典の対応は、家族で担当したり、参列者が少ない場合は控室で済ませることもあります。通夜の後には、僧侶や参列者を招いた「通夜振る舞い(会食)」が開かれる場合もありますが、家族葬では省略することも可能です。

葬儀・告別式の流れ

葬儀・告別式は、火葬の予定時刻から逆算して進行します。開式前に供花や祭壇の確認をし、僧侶が入場したら読経と焼香が行われます。焼香は喪主、遺族、親族、友人の順に進みます。家族葬の場合、弔辞や弔電の奉読は省略することが多いですが、ご希望があれば取り入れることもできます。葬儀・告別式が終わると、参列者全員でお別れの儀を行い、棺に花や思い出の品を入れ、最後のお別れをします。

出棺から火葬まで

告別式の後、喪主や遺族が位牌や遺影を持ち、葬儀社スタッフの案内で棺を霊柩車に納めます。火葬場が併設されていない場合はマイクロバスや自家用車で移動します。火葬場では「納めの式」(最後のお別れ)が行われ、僧侶の読経や焼香の後、火葬となります。火葬が終わると、お骨上げ(骨壺に遺骨を納める作業)を行い、火葬許可証を受け取るのを忘れないようにします。

初七日法要と精進落とし

葬儀後、多くの場合は初七日法要を繰り上げて葬儀当日に行います(繰り上げ初七日法要)。僧侶による読経と焼香の後、ご遺族や参列者で食事の席(精進落とし)を設ける場合があります。精進落としは必須ではなく、ご家族や親戚同士の相談で省略することも可能です。現代の家族葬では、ご高齢や遠方の方への配慮から簡素な食事やカタログギフトで代替するケースも増えています。

  • ・初七日法要は火葬後または告別式の後に行うことが多い
  • ・精進落としは省略する家庭も多く、形式や内容は自由
  • ・お布施や御膳料など僧侶へのお礼も忘れずに用意する

家族葬の後の手続きと配慮

葬儀後の主な手続き

葬儀が終わった後も、ご遺族にはさまざまな手続きが残っています。例えば、年金受給者であれば14日以内に年金受給者死亡届の提出が必要です。また、相続や生命保険、各種補助金の申請も期限内に行う必要があります。その他、供花や弔電へのお礼や香典返し、葬儀に参列しなかった方への訃報通知なども忘れずに行いましょう。役所や金融機関での手続きは時間や労力がかかるため、優先順位や期限を一覧表にしておくと安心です。

四十九日法要・納骨の流れ

葬儀後の大きな節目となるのが四十九日法要と納骨です。日程調整や会場の手配、僧侶の都合などを考慮して、家族や親族と相談しながら準備します。四十九日法要や納骨の進め方は宗派や地域、家族の事情によってさまざまですが、最近は仏壇やお墓の前で簡素に執り行うケースも増えています。親族だけの会食や、お寺での法要といった形を選ぶこともできます。

家族葬を行う前に確認しておきたいこと

家族葬を選ぶ際のポイント

家族葬は自由度が高く、ご家族の希望や故人の意向を反映しやすい形式ですが、その分、親族間での認識合わせや事前準備が重要です。特に誰を参列者とするか、香典や供花を受け取るか否か、会食や精進落としを行うかといった点は、あらかじめ家族で話し合い、トラブルや誤解を防ぎましょう。また、葬儀社の選定や事前相談も重要です。複数の葬儀社で見積もりを取り、サービス内容や費用、サポート体制を比較して納得のいく会社を選ぶことが、安心の家族葬につながります。

家族葬のメリット・デメリット

家族葬のメリットは、少人数で落ち着いた雰囲気で故人とお別れできること、準備や運営の負担が軽減されること、費用を抑えやすいことなどが挙げられます。一方で、親族や知人から「なぜ呼ばなかったのか」と誤解や不満が生じることもありますので、事前に説明や配慮が欠かせません。一般葬に比べて情報が少ない分、葬儀社や経験者に相談しながら進めていくと良いでしょう。

まとめ

家族葬は、現代のライフスタイルや価値観に寄り添った新しい葬儀の形として、多くの方に選ばれるようになりました。家族やごく親しい人たちだけで心温まるお別れをしたい方には、最適な選択肢といえるでしょう。一方で、準備や流れ、マナー、手続きなど事前に知っておくべきポイントも多くあります。本記事で紹介した家族葬の流れや注意点を参考に、ご家族の想いに合った最良のお別れができるよう、ぜひお役立てください。

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